〔第4講 **解説** 〕消極的な部下への対応

〔第4講 **解説** 〕消極的な部下への対応

○ 解説

1.問題の本質

この事例の問題の本質は、仕事や行動面での注意の仕方・叱り方にある。

また、組織人としての役割の理解にも問題の本質がある。

この事例では、野口課長と友野リーダーいずれも部下に対して一方的に判断し、指示したり、叱責をしているのだ。

なぜ、このような状況にいたったかの背景や原因を明確化する努力が不足している。

とくに、相手を叱る場合などは、叱るべき状況であるか否かの分析が必要である。

そのためには相手からもっと意見を引き出す必要があるだろう。

この意見の吸い上げがなければ叱られる意味・意図が理解されない。

桑田さんは、仕事に対する姿勢に問題がある。

仕事とは指示されたことのみをこなすだけでは不十分である。

もっと積極的な姿勢が必要である。

2.対応策

この事例では友野リーダーに対して、なぜ部下の桑田さんが仕事に対して積極性をなくしてしまったかを理解させる必要がある。

しかも、野口課長からの説得では真の問題解決にならない。

友野リーダーが桑田さんとの話し合いにより、真の原因をつかむことがポイントとなる。

したがって、友野リーダーに対しては、桑田さんと話し合いの場をつくり、真の原因を引き出すように指示する。

また、そのとき相手の意見や考えを引き出す傾聴の姿勢が重要であることを伝え、指導することが必要となる。

また、桑田さんにおいては、自分が納得できないときは、そのことを相手(上司)に対して、明確に伝えることが大切であることの指導が求められる。

さらに、組織で仕事を進める場合の役割には「公式的な役割」と「状況に応じた役割」があることを理解させることが重要である。

公式的な役割とは、目標などの上司や周りから与えられた役割であり、状況に応じた役割とは、自分でつくる役割のことである。

どれだけ自分で積極的に役割をつくることができるかが重要なポイントである。

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