<解説>

1.問題の本質-この状況を打開するための考え方-

この事例の状況からすると長谷川さんに対し、今以上の業務量をこなすよう期待することは困難であろう。

基本的な考え方としては、チーム内のメンバーに振り分けるか、業務を他部署に移管するか、業務の納期を調整するか、ということになる。

このチームの特殊性からみると安易に他部署に移管を依頼しても実現の可能性が薄いと判断される。

基本はチーム内での対応を検討すべきである。

また、チーム内の対応のみで仕事の遅れが解消できないものが発生する可能性も高い。

その場合は業務計画や納期の見直しとその対応も必要となろう。

長谷川さんの業務について、チーム内での振り分けを実施するに当たり、優先的に振り分けることができそうなのは、横田さんと小林さんである。

まずは、この2人に対しての業務の振り分けを検討することになろう。

さらに、田端さんと吉本さんについては、良い機会として捉え、教育という視点から横田さん小林さんの業務のOJTを展開することにより、能力開発を目指すことが期待されよう。

2.対応策 -現状打開のための手順-

最初に実施すべきことは、長谷川さんの業務の棚卸しである。

長谷川さんが実施している業務の内容、負荷、難易度、必要な能力などをすべてリストアップし、業務リストとして一覧表を作成する。

これは長谷川さんが中心となって実施しなければならない項目である。

しかし、1人で検討するのでなく、横田さんと小林さんの2人を巻き込んで実施すべきでしょう。

二番目に実施すべき内容は、業務内容の振り分けである。

業務リストのそれぞれの業務について、①本人が継続して行う業務、②他のメンバー(横田さん、小林さん)へ依頼するもの、③業務の計画や納期の見直しを行うもの、という3つのカテゴリーに区分する。

三番目に実施すべき項目は具体的な業務の引継ぎである。

長谷川さんが横田さん・小林さんに対して引継ぎをすべき業務を設定し、引継ぎを実施する。

ここで大切なことは方法の引継ぎだけでなく、業務の目的を確実に伝承し、引き継ぐことである。

四番目は業務計画と納期の見直しと調整である。

どうしても遅延を避けられない業務については関連する部署に対して、計画や納期の調整を依頼する。

この場合は長谷川さん自身が行動するのはもちろんだが、上司である中川マネージャーを動かすように指導することも大切なことである。

最後に、横田さん・小林さんが若手である田端さん・吉本さんへOJT(On the job training)を展開する段階である。

ここでOJTの詳細は省略するが、計画的な展開が重要なポイントとなる。