○ 長崎室長のこんなとき

品質保証室・部品検査班の中野リーダーのところに、緊急の連絡が入った。

中野リーダーが所属する部品検査班は、製品として組み込まれる中核部品の品質検査を担当している。

部品検査の後工程である組立班で、欠品が発生しているということらしい。

早速、情報収集するため現場に出向いた。

製造部・第一製造課・組立班のリーダーやオペレーターからいろいろ事情を聞いてみると、検査される部品が遅れているため、組立工程での欠品が発生しているということだった。

組立班の広山リーダーからは「このままの状況が続くとお客様の納期が守れない。

部品検査班はいったいなにやってるんだ」と強い口調で攻撃されてしまった。

中野リーダーは、ここ数日は課長から指示された資料の作成に追われ、現場の状況把握ができていなかった。

しかし、現状の負荷量で十分にこなせる仕事量と考えていたため、検査工程の納期が遅れるということは理解できなかった。

まずは、自職場の分析が必要であった。

自職場に戻って班員から状況報告をさせ、なぜ、納期遅れが発生しているのかを分析した。

すると、次のようなことが分かった。

遅れの原因は、検査工程ではなく、すでに検査工程の前工程である部品加工班から遅れが発生していた。

部品加工班の遅れにより、検査班の班員も手待ちが発生しているという。

この情報収集から検査班の仕事の遅れは、前工程の部品加工班に原因があるのであって、自分達の責任ではないと考えられた。

翌日、中野リーダーは、品質保証室の長崎室長から呼び出された。

長崎室長は中野リーダーに対して「先程、第一製造課長から私のところにクレームを言ってきた。

検査班から搬送される部品の遅れにより、組立工程で欠品が発生しており、生産予定に対して遅れが出ている。

このままではお客様に対して納期遅れを引き起こしそうだ、検査班はいったいどうなっているんだね。

」とかなり強い口調で叱った。

それに対して、中野リーダーは「この問題は我々検査班が責められるのはおかしいです。

我々の前工程が問題なんですよ」と検査班には責任がない、ということを強調したのだった。

長崎室長は、現状を知れば知るほど、「問題の根は深いなぁ」と思い悩んでしまった。

この事例で長崎室長はいったい何を悩んだのか。

そしてこの状況を改善するために、長崎室長は中野リーダーに対して、どのような指導をすべきなのだろうか。

◯設問

この事例の問題の本質と解決策を検討してください。