<解説>

1.問題の本質 -長崎室長が悩んだこと-

この事例の問題の本質は長崎室長が悩んだ内容にある。

長崎室長は、部下である中野リーダーの考え方や姿勢に悩んでいたのせある。

ここで必要な姿勢とは ”何が何でも自分の責任を果たす” ということである。

中野リーダーは検査班に責任があるのでなく、前工程にあると考えていた。

確かに、検査班の遅れの直接的な原因は部品加工班にあると考えてよい。

しかし、前工程が遅れたのだから、後工程は遅れても責任は無いのだろうか。

そうではないだろう、ここで重要なポイントは検査班として後工程へ決められた日程を確実に守ることである。

したがって、前工程が遅れたから自分達も納期遅れを出してもしかたがないのだ、という考え方は問題である。

検査班として日程を守るために、待ちの姿勢ではなく、積極的に前工程に働きかけるような動きが必要なのである。

以上のような積極的な働きかけが大切である。

しかし、さらに重要なことは、中野リーダーの日常管理である。

自分の担当する職場が責任を果たせるように、職場の仕事の状況を観察し、問題はないか、異常な状況は発生していないか、ということ把握し、問題や異常があれば迅速に対応する必要がある。

中野リーダーは上司から依頼された業務に追われ、この点の日常管理が抜けていたのである。

2.対応策

長崎室長が中野リーダーに対して“仕事の責任”とは何かを指導する必要がある。

基本的には結果としての成果を出す責任があることを分からせる必要がある。

もし、自部署の責任が果たせない状況が他部署等にあるとすれば、他部署に働きかけて、影響力を発揮しながら問題を解決することが責任である。

その場合に上司に報連相を実施しながら上司の力を借りながら、他部署に働きかけることが効果的な場合もある。

上司を動かすことも、自分の責任を果たすために重要なポイントとなる。

この事例では、現状の問題を解決させることを通じて中野リーダーの問題解決力を高めるとし同時に仕事の責任範囲について実感させることが大切であろう。

問題解決の具体的に方法は中野リーダーに任せることがよい。

しかし、室長としての基本的な方向付けは必要である。

実際にはさまざまな方法が考えられるが、一つの方向を紹介しておこう。

まずは、中野リーダーが中心となって、検査班、部品加工班、組立班のリーダーを収集し、現状確認と今後の問題解決のための方法を検討させる。

そして、それぞれの役割を分担し、実行計画を設定し具体的に実行するのである。

このような展開を指示する場合には、室長として部品加工班や組立班の上司である課長への了解を取っておくことも必要だろう。

このように中野リーダーにリーダーシップをとらせて解決させることが重要である。

この状況が問題解決できて成功体験を積むことが、最も本人が成長する機会でもある。