<解説>

1.問題の本質

この事例の問題の本質は、情報を一本化するための方法論が誤っている。

これまでルールがあり、しかしそれが実行されない場合には、実行されない根本原因をつかみ、解決策が実行されなければならない。

このケースでは原因究明が、通達を出してから行われているところに問題がある。

この事例から考えられることは、情報の窓口一本化に対して各支店の不信感が感じられる。

例えば、技術開発課の担当者に直接連絡したほうが確実に伝わる。

文書(電子メールを含め)で連絡するのは面倒である。

本社の営業情報管理課を通すと話が遅くなる。

文書だけではこちらの意図が十分伝わらないなどである。

本社で調整されると自分の開発依頼が後回しにされる恐れがある。

本社の指示とおり開発依頼を営業情報課に出したが回答が遅い。

以上のような点に不信感を持っている。

この不信感を解消しない限り根本的な解決は困難であろう。

2.対応策

 ここでの対応策は①窓口一本化に対しての基準作り、②関係部署とのコミュニケーションの強化、③現状の回答方法のしくみの改善の3項目が必要である。

①「窓口一本化の理解と納得を図る」

優先順位を設定する基準を作成し、支店のメンバーが納得できる体制をつくる。

さらにはこの基準を支店に配布し、共有化を図る。

単に配布するだけでなく、窓口一本化を実施する目的・意図を説明し、理解と納得を得る努力を営業部長自ら実施する。

ここで重要なことは営業部長自ら実行することである。

物事を確実に実施するためには、実行責任者が「本気」の姿勢を示すことが重要なのである。

②「関係部署のコミュニケーションの強化」

今後、開発は直接受けることはしないが、営業(支店)と技術開発課および営業情報管理課のコミュニケーションを図る場を充実させることが重要である。

◯コンピュータネットワークの掲示板を活用し、常にどのような開発依頼があり、どのような優先順位がついているかを共有化できる態勢を確立する。

◯3部署による合同の定期ミーティングを実施し、日頃からのコミュニケーションを充実させる。

このような日常のコミュニケーションを充実させ、情報の共有化を図ることか各支店に対して信頼感を獲得するための重要な条件である。

③「現状の開発依頼から回答のしくみの改善」

現状での開発依頼のフォームを簡略化し、依頼を実施しやすくする。

また、開発依頼に対する回答をより迅速にするため、依頼から回答までの期限を設定する。

回答が間に合わない場合には、その旨を依頼担当者にフィードバックするようなルールを構築する。