〔Q12 徹底5S Q&A〕技術部門の5Sへの取り組み

〔Q12 徹底5S Q&A〕技術部門の5Sへの取り組み

Q【質問】製造現場はある程度、実施できていますが技術部門や開発部門が徹底できません。

技術者に対して5S意識を高めるにはどうしたらよいのでしょう。

 

A【解説】

●なぜ技術部門や開発部門が徹底できないか

技術部門や開発部門は5Sの徹底が難しいことは、どの企業も共通した課題のようである。

とくに実験室などは不要品置き場のような状態になっている会社も見うけられる。

なぜ5Sの徹底ができないのか。

結論から言うと5Sに対する意識の薄さである。

5Sに対する意識が薄いため、優先順位が低く、いつも後まあしになっているのである。

結果として5Sはいつまでも改善されないのである。

                              

●5S意識が薄い背景は何か

技術部門や開発部門の5S意識が低い背景を考えてみよう。

第一は製造部門などと比べて効果を実感しづらいという点が挙げられる。

製造部門のように時間当たりの生産性を問われることは少ない。

したがって探すムダなどに対する問題意識が薄いのだろう。

第二は自分達は創造的な仕事をしている、という自負心が5S活動の邪魔をしている点である。

創造的な仕事をしているという自負心そのものは必要なものであり、結構なことである。

問題は自負心が5Sを軽視する姿勢につながっていることである。

第三は5Sに対する苦手意識である。

これは技術者に限った事ではないが、筆者の経験から技術者に苦手意識を持ったものが多いように感じる。

●技術・開発部門への効果を納得させること

製造部門に比べて効果を実感しづらいのは事実であるが、技術・開発部門においての効果も十分にある。

たとえば、データなど(モノ)を探すムダがあると、探している時間のロスだけでなくモノを探すことによるストレスが問題である。

これが思考の生産性に大きく影響していると思われる。

製造部門のように目に見えた効果は現れないが十分に効果を発揮するものである。

このような効果を具体的に示し納得させるように指導することが必要である。

●製造部門への悪影響を認識させる

技術・開発部門の5Sのレベルは製造部門に対して大きく影響する。

仮に製造部門の5Sが徹底できていても、技術・開発部門が乱れていると製造部門にも悪影響を与え、5Sレベルを下げることになりかねない。

この点の影響を考え技術・開発部門も5Sに対して責任を持って取り組むよう指導しなければならない。

●創造的な時間をつくるために5Sに取り組む

技術・開発部門は創造的な仕事のウエイトが高い。

しかし、現実には5Sのレベルが低いため、創造的な業務に向けられる時間がモノ探しなどの雑務に奪われてしまって場合も多い。

5Sを徹底し、本来の業務に集中できるようにすべきである。

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