○黒田室長のこんなとき

黒田室長は情報システム室の責任者である。

黒田室長は、最近、指示が徹底しないもどかしさを感じていた。

室長が部下に対して指示を出しても、それを確実に実行しないのである。

例えば、提出書類が期日までに上がってこない。

会議の時間に遅れてくる。

約束した仕事の納期が遅れそうでも報告がない。

このような事柄が頻発しており、挙げればきりがない状態である。

ある時、部長から「情報システム室がペイパーレスを積極的に推進すべき立場であるのに、ほとんど改善されていない。

もっと率先して成果を出していかないと、会社全体への影響力を発揮できない。

現状のペイパー使用量を半分にするように」と黒田室長に対して指示が出された。

黒田室長は、部長の言われることは分かるが、いきなり半分は難しいと感じていた。

しかし、部長の方針や指示は受けざるを得ないと考え、部下に対して指示することにした。

「今回、部長からペイパーを半分にするように指示があった。

難しいとは思うが、徹底するようにお願いしたい。

と部下に指示を出した。

それに対して部下達からは、「そんないきなり半分は無理です。

ペイパーレスの必要性は理解できますが、現状では仕事の効率が落ちると思いますよ。

室長はどう思いますか。

と不満顔で反論のような意見が出された。

「私も難しいとは思うが、やはり部長の指示には従う必要があるんだよ」

と部長の指示だからやるしかないということを繰り返すだけだった。

部下達はなんだかしらけた感じて、もう、これ以上室長に何を言ってもしかたがないという表情だった。

このようなやり取りがあり、3ヶ月が経過した。

ところが、課のペイパーの使用量はほとんど削減できていなかった。

室長の指示はまったく浸透しなかったのである。

黒田室長は自分の指示が徹底しないことを改めて実感したのである。

部下に対して指示を徹底させるために何が不足しているのだろう。

自分ではよく分からなかった。

しばらくして、部長に呼ばれた。

「君は部下を管理できていない。

リーダーシップがまったく発揮されていないんだ。

」と厳しい口調で叱責された。

確かにそうだと感じた、自分は部下の管理ができていない。

いったいリーダーシップとはなんだろうと自問自答してみるのだが。

黒田室長がリーダーシップを発揮できない最も本質的な問題は何か。

また、リーダーシップを発揮するためにはどのようなポイントがあるのか。