1.問題の本質

この事例の問題の本質の一つが宮本さんの他部署への依頼の方法にある。

他部署に協力を依頼する場合には、他部署の実情を理解しておく必要がある。

いきなり仕事を依頼したのでは、依頼される方も困ってしまう。

相手の状況をよく理解して依頼する心構えが必要である。

依頼される側も依頼者が自分の状況をよく理解した上で頼んでいるのが分かれば、協力しようという気持ちになるものである。

また、他部署の人を巻き込むためには日頃の人間関係も重要である。

日頃から相手のために自ら協力をしていると、いざという時に協力してくれるものである。

もう一つ依頼の姿勢に問題がある。

“是非ともお願いしたい”という要望の強さが感じられない。

「出来ればやってほしい」というレベルでは、よっぽど暇でない限り人は協力してくれないものである。

すなわち、人を説得するポイントが欠けているのである。

斎藤マネジャーにも問題がある。

部下の他部署を動かすコツ、ポイントをこれまで指導できてない点である。

品質管理という部署はラインの支援部隊であり、他部署を動かせなければ仕事が進まないとことが多いものである。

そのことを管理職が十分に指導できていないのは根本的な問題と言えよう。

2.対応策

対応策は斎藤マネジャーの部下指導の視点から解説する。

まず、指導すべきポイントは、他部署に依頼する前の事前準備である。

今回のような依頼においては特に事前の準備が大切である。

いきなり依頼するのでなく、ますは相手の情報収集(状況理解)が大切であろう。

例えば「このようなことをお願いしたいのですが、仕事の状況はどうでしょうか。

いつごろだったら協力してもらえますか」というような相手への配慮が必要である。

次に大切なポイントは、相手を説得するためのポイントを指導することである。

人を説得するには説得3要素を押さえる必要がある。

説得の3要素とは、信頼性、論理性、情動性である。

信頼性とは、説得する場合に最も基本となるものである。

相手との信頼関係がなければ説得することは難しい。

このケースの場合、相手が他部署である他部署との信頼関係を如何に築いておくかが重要な視点である。

論理性とは分かりやすさである。

自分の言いたいことが相手に理解されなければ説得は難しい。

このケースの場合は言いたいこと自体は伝わったと思われるが、さらに分かりやすく伝える工夫は必要である。

最後が情動性であり、これは熱意という意味である。

このケースで最も欠けていると判断される。

人を動かす要素として熱意は大変重要である。

最後に人を動かすポイントとなるのが熱意であり、熱心な姿勢であろう。