◯安田第一営業課長のこんなとき

安田さんは営業部第一営業課の課長である。

部下は5人で、課長を含めて6人体制である。

安田第一営業課長は顧客満足を重視した営業活動を展開しており、部下に対しても顧客満足重視の方針を打ち出している。

このことは間違っていないと思うのだが、最近営業効率が落ちてきている。

どうも顧客満足を重視するあまり、顧客を訪問する回数が異常に増えているのだ。

訪問回数が増加していること自体は良いのだが、訪問するお客が偏っている。

お客の要望を聞こうとするあまり過剰になっているのである。

この状況を改善するため、営業会議を開催し、もう少し効率を考えた営業活動をするようにと指示を出すことにした。

「顧客満足を重視することは大切だが、営業効率も考えてほしい。

全体に営業効率が低下しているので、もう少しバランスを考えた行動をお願いしたい」と、効率を考えた行動をするようにと説明した。

すると部下から次のような意見が出された。

「課長からは顧客満足が重点方針として出されています。

それに顧客のことを考えて営業活動を実施することが我々の使命です。

営業効率といったことを考えたら、顧客満足など実現ではません。

課長の言われることは矛盾しています」と課長の言葉に対して反発気味な意見が出された。

「それに営業効率を考えて行動できる時代ではありません。

そんなこと考えていたらライバル会社にお客を取られますよ」と逆に意見される始末である。

部下達を納得させられる説明が出来ないまま営業会議は終了した。

しかし、このままでは業績は向上しない。

営業費がかかり過ぎているのである。

部下達が言うことも最もだと思えた。

確かに自分は矛盾していることを要求しているのだろう。

しかし、本来、経営活動は矛盾だらけのような気もする。

ただ、ここでは部下を納得させなければならない。

いったいどのような考え方をすべきだろうか。

この事例の問題の本質はどこにあるのか。

どのような考え方で説明することが必要なのだろうか。