1.問題の本質

この事例の問題の本質は、顧客満足と業務効率について別々に考えている点にある。

実は、顧客満足と業務効率は一体のものとして考える必要がある。

一体として考えるとは、業務を価値という視点から捉えることである。

業務の価値を高めるためには、顧客が期待する目的・機能を、より低コストで提供する必要がある。

すなわち、業務に対して、顧客満足をどの程度のコスト投入で実現したかを評価する。

顧客満足を少ないコストで実現できれば、より価値ある業務を推進できたと評価できるのである。

このように一体で考えれば顧客満足と業務効率のどちらを重視かという議論にはならないはずである。

ここで特に重要なことは、顧客満足をどのように捉えるかである。

少なくともお客様が納得するレベルで、競合他社の水準に対して負けないレベルでのサービスの提供は最低限のレベルと考える。

その範囲内で、如何に低コストでサービスを提供できるかがポイントとなってくるのである。

2.対応策

この事例の対応策で重要なことは、営業課長としての考え方を明確にすることである。

確かに経営とは矛盾が多いものである。

あちらを立てればこちらが立たずというのが現実である。

しかし、このような矛盾の中にビジネスチャンスも多いものである。

このような矛盾を感じているメンバーをそのままにしておくと仕事へのエネルギーが出てこない。

課をまとめていくリーダーとしての考え方を明確にし、方向付けをしなければならないのである。

ここでは考え方の一例として解説しよう。

①顧客満足とは何かを明確化する

顧客満足を実現していくことは経営活動の基本である。

このことを曖昧にしてはいけない。

この顧客満足とは、顧客から見て価値あるものを入手できたか否かで決まってくる。

如何に顧客が考える事前期待より大きい価値を提供できるか否かで顧客満足の度合いが決まってくる。

②価値とは何か、価値の考え方を明確化する

顧客の立場から価値あるものは何かという視点は重要である。

ビジネスにおける価値とは目的・機能に対するコストで表現される。

すなわち、顧客の期待する目的や機能を如何に低価格で手に入れることが出来るか否かで価値が決まってくる。

価値ある製品やサービスを入手した場合には満足度が高まるが、逆の場合は満足度は減少する。

③自分の業務を価値という側面から見直す

自分は本当に顧客に価値を提供しているのか、社内において価値ある業務を推進できているのか。

継続的に価値を向上させる努力をしているのかなどの見直しが必要である。

そして、見直しが出来たら具体的なアクションプランを策定し、行動することが重要である。