◯山崎看護課長のこんなとき

山崎さんはA病院外科の看護課長である。

現在、医療事故防止のためにさまざまな活動に取り組んでいる。

特に力を入れて取り組んでいる項目の一つが“ヒヤリハットの提案活動”である。

さまざまな業務に取り組んでいる中で、“ヒャとしたこと”、“ハットしたこと”など、もう少しで事故につながりそうなことを提案し、どのようにしたらこのような状況をなくすことができるかを、検討し、改善につなげていこうという活動である。

現在は活動を開始して半年が経過したところである最初のころは提案数も多かったが、このところやや停滞気味であった。

数が出ないということも気にはなったが、提案の数よりも内容が問題だと感じていた。

出されている“ヒヤリハット提案”が、どうも本当にヒャとしたこと、ハットしたことではなく、「課長が出せというから出している」という状況のように感じる。

真に危なかった場面の提案はほとんど出ていないのである。

そこで山崎看護課長は現場の看護師にヒアリングしてみることにした。

数人にヒアリングした結果から次のようなことが判明した。

   ◯正直なところ真に危なかったという事例は出していない

   ◯それはやっぱり、そのような危なかったことは恥ずかしくて出せない

   ◯一部率直な意見が出ているは新人の看護師である。

この人たちは正直に出せている。

   ◯ベテランになるほど、真にヒャとしたことは出しづらい

これでは形だけの“ヒヤリハット提案活動”になってしまっている。

真の問題が発掘されなくては問題解決につながっていかないだろう。

なぜ、真のヒャとしたことが出ないのだろう、どうしたら出るようになるのだろうか。

山崎看護課長は今後の活動を思い悩むのであった。

この事例の「なぜ、真のヒャとしたこと、ハットしたことが出ないのか」この問題の本質は何か、そして、活動を活発化し、真のヒャとしたことの提案を出させるためにはどのように対応すべきだろうか。