1.問題の本質

この事例の問題の本質は2つある。

その一つは上司の指示の出し方の問題である。

上司の指示の出し方か悪いために指示が徹底していないのである。

しかし、このことを上司である田中グループリーダーは気づいていないようだ。

このような状況はよく発生するが、指示が徹底しないのは指示を出す上司に問題があるのか、それとも指示を受ける部下に問題があるのか。

当然どちらにも問題はあるが、どちらの責任が重いかというと、圧倒的に上司の責任が重いと理解すべきである。

指示が徹底しないのは、その指示を徹底させていない上司の責任である。

指示を曖昧に出しているために徹底しないことがほとんどである。

まれな例として指示を十分理解していてもそれを敢えて守らないこともある。

しかし、これはまた別の問題であり、このケースはそのような状況ではない。

もう一つは、部下から上司への仕事の優先順位に関する報連相の問題である。

このケースでは品質保証部の米山グループリーダーから仕事を依頼され、これを受けた段階で、上司である田中グループリーダーのところに相談にくるべきである。

この辺り基本動作の指導教育が不足している。

このような基本動作の指導教育も管理者の重要な役割であることを認識すべきである。

2.対応策

このような状況を解決するためのポイントは、基本動作の徹底ということであろう。

管理者は管理者としての基本動作を見直し、メンバーは一般のビジネスマンとしての基本動作を再確認させる必要がある。

まずは指示を出す場合の基本として5W1H(What Who When Where Why How)を明確に伝え、伝えたことが理解されているか否かを確認することである。

特に「何を」、「いつまでに」という指示は必ず復唱させて確認するぐらいの徹底さが必要である。

また、指示は分かっていても、このケースのようにその重要性が理解されていなければ、優先順位を勝手に判断することにもなりかねない。

そこで重要になってくるのが、指示する内容の「目的・背景」である。

指示の目的や背景が十分に理解されて始めて本当に指示が受け止められたことになる。

次は、部下への基本動作の指導である。

このケースでの部下の基本動作の指導で重要な項目は、「指示の受け方」「報告の仕方」「仕事の優先順位」などである。

新入社員に教育するような内容であるが、このような基本動作が徹底していないために仕事がスムーズに進まない場合は大変多いものである。