◯山本センター長のこんなとき

山本さんは情報処理センターのセンター長である。

情報技術が目覚しく進歩をする中で、人の管理の困難さに直面していた。

この職場においては情報技術の進歩が早いため、年齢が若く経験年数が低い者のほうが新しい技術を持っており、仕事そのものはスピーディーにこなすことも多い。

ベテラン社員はさまざまな経験をつんでいるが、新しい技術が出現すると過去の経験がなかなか生かせないことも多いという状況が職場の中にあった。

ある時、若手で技術力の高い佐々木さん(24歳)とベテラン社員の岡野さん(35歳)との間でちょっとしたトラブルが発生した。

佐々木さんが手がけていたシステム開発の業務をベテランの岡野さんが引き継ぐことになったが、業務内容のドキュメント化が不十分だったため、ほとんど引き継ぐことが出来ない、という状況に陥ったのである。

このような状況について、ベテラン社員の岡野さんが山本センター長のところに相談にきたのであった。

岡野さんによると「佐々木君は仕事は出来るが、他のメンバーと協力して仕事をするという姿勢に欠けます。

彼から仕事を引き継いだ場合、全く内容がわからず困ります。

われわれが注意しても全く聞く耳を持ちません。

センター長の方から、この辺のところをもっと強く指導してもらわないと困ります」という内容のことであった。

確かに、佐々木さんには先輩社員をやや低く見る傾向があり、生意気な態度で人と接するところがある。

佐々木さんは仕事が出来るし、彼にしか出来ない業務もあり、多少甘やかしたところはあった。

ただ、情報処理センターとしてチームワークを良くし、協力体制をつくらなければならないのも現実である。

山本センター長は佐々木さんを呼んで指導することにした。

他のメンバーとのチームワークを良くし協力しながら業務を進めること。

引継ぎをする場合の留意点や先輩社員に対する態度に対して、周りではどのように感じているかなどをフィードバックし、今後、態度を改め、仕事の進め方も改善するようにと指導したのであった。

それに対して佐々木さんから「私はチームワークだの、協力などを考えて仕事はしたくありません」という言葉が返ってきた。

あまり、強く言うとやる気をなくし、会社を辞めたいと言い出すのではないかと感じ、この場は中途半端な指導で終わった。

その後も職場の中に問題は潜んでいる状態だった。

このように人間関係が不安定な職場をどのように改善すべきか山本センター長は対応策に悩んでいた。

また、管理者として佐々木さんのような部下にどのように対処すればよいかも分からなかった。

このような職場の雰囲気(人間関係)になってしまった本質的な問題はどこにあるのだろう。

また、現状の問題を解決するための対応策としてはどのようにするべきであろうか。