〔第21講 **解説** 〕若手とベテランの人間関係

〔第21講 **解説** 〕若手とベテランの人間関係

1.問題の本質

 この事例の本質的な問題は、若手社員に対して技術力があるからといって甘やかしたことにある。

仕事を進める上でのビジネスマンとしての基本動作を身につけさせていないことが問題なのである。

確かに、口うるさく言って本人がやる気を無くしたら困るという気持ちは理解できるが、これではマネジメント放棄であり、マネジメント不在の職場になってしまう。

とくに、最初が大切である。

最初の段階で周囲との人間関係、言葉遣い、気配りなどの基本を身に付けさせておかなければ、折角高い技術力を持っていてもその技術力を発揮する場所や機会を少なくしてしまうものである。

この事例の後半で若手社員である佐々木さんを呼んで指導した場面も問題である。

かなり、遠慮しながらの注意・指導になっている。

これでは指導力不足と言わざるを得ない。

上司が部下になめられてしまい、組織をマネジメントできなくなってしまう。

さらに、ベテラン社員の指導育成にも問題が潜んでいる。

新しい技術について若手が担当しているだけで、ベテラン社員が新技術の習得という点に努力不足という点も見逃せない。

常に技術は進歩するものであり、その進歩についていけない技術者は存在価値がなくなってしまう。

2.対応策

山本センター長のやるべきことは基本的に2つのことがある。

まず、一つは現状の若手社員の指導である。

もう一つは、このような状況を発生させないための組織体制の改善である。

前者は、明確な指導が必要である。

もし、辞められたら困るからという姿勢で指導してはいけない。

組織としてチームプレーをする場合の基本的なルールを明確に示し、このルールを守らない場合は厳しい評価をすべきである。

それで辞めたいなら辞めなさい、という姿勢が必要であろう。

この点は管理者として毅然とした姿勢を示さなければならないのである。

後者は、上記のような状況を発生させないための組織体制作りである。

この事例のようにチームの中で自分ひとりが技術的に優れていて、自分に代わるものがいないという状況を作らないようにするのが基本である。

一時的にはこのような状況が発生するにしても、人を育てて、チーム内にも競争が存在する状態を作るべきである。

この事例は若手も基本動作のことをまず第一に問題にしたが、ベテラン社員の能力開発にも対応策が必要である。

これが実現されなければ組織体制は改善できない。

ベテラン社員の新技術への挑戦意識の改革と新技術への教育投資が早急に必要であろう。

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