1.2 価値向上のカイゼンとは

価値を向上させるにはなにが必要だろうか。

価値向上の具体的な方法論はこれから解説するとして、このでは基本的な考え方を解説することにしよう。

●自分の価値を向上するためのカイゼン

一般的に「自分の価値を評価してみよう」とか「あなたの給与を査定しよう」といったインターネットのサイトや書物があるが、筆者はそのような価値の測定をすること自体にはあまり重点をおいていない。

重要な関心ごとは自分価値をどのようにして向上させるかということである。

価値を向上させる最も基本的な視点は、自分自身の考え方や行動を継続的にカイゼンすることである。

筆者は25年間、企業の社員教育や業務の改善の支援やお手伝いをやらせていただいている。

その経験を踏まえて自分自身のカイゼン、すなわち価値向上を図るためにどのような考え方や方法があるか、についてこのシリーズで紹介しよう。

●カイゼンとは値打ちを高めること

カイゼンとは辞書によると「悪いところを改めて良くすること」と説明されている。

文字通りなのだが、もう少し積極的に考えると、改善とは物事の「値打ち」を高めることなのだろう。

そして、自分自身のカイゼンとは自分自身の値打ちを高めることなる。

ビジネスマンにとって自分自身の値打ちを高めるためには、自分が取り組む仕事の値打ちを高めることが必要となるだろう。

そこで、まずは仕事の値打ちはどのようなものなのかを考えてみよう。

値打ちとは次のような関係〔値打ち=機能・品質/コスト・時間〕で決まってくるものである。

つまり、仕事の値打ちはアウトプットである要求される品質や機能を、いかにインプットの時間を少なくして低コストで実現するかということである。

これはVE(Value Engineering)の考え方であり、値打ちや価値を考える基本的な考え方である。

どんなに品質が良くてもダラダラとした進め方では仕事の値打ちは落ちるし、その人の存在価値も低下するものだ。

もちろん、安く・速く実施できても、どこかの建築士のように建築基準を守らず、耐震性を損なうような仕事は価値を失うだけでなく、犯罪につながることにもなる。

余談であるが、この建築士の不正な行動により、建築確認の内容が複雑になり、かなりの時間が必要となっている、その結果建築確認の申請にたいへん時間がかかり建築が進まない状況に至っている。

このことが建築業界の不況につながっているようだ。

●値打ちを高める方向

さて、カイゼンとはなにかを整理すると、カイゼンとは要するに仕事の値打ちを高めること、そのためにはお客様が必要とするものを、より安く、より低コストで提供するようにレベルアップすることなのだ。

その方向としては次のような視点が指摘できる。

   〇品質・機能をより高くして、コストや時間を削減する

   〇品質・機能をより高くして、同じコストで提供する

   〇品質・機能は同じでも、コストや時間を削減して提供する

   〇品質・機能は落としても、それ以上にコストや時間を削減する

基本的にはこれらの4つの方向がある。

いずれにしても、仕事の値打ちを高めるということはどのようなことかを自分の頭で考え、積極的に取り組んでてほしいものである。