1.問題の本質

この事例の問題の本質は組織における基本が徹底されていないということである。

そして、さまざまな基本動作を徹底しないという“悪い習慣が定着している”ことが問題である。

しかも、このような悪い習慣をつくっているのが組織の幹部クラスである部長達であると考えられる。

組織は“当たり前のことを当たり前にできる”文化や風土が大変重要である。

さらに、上司が「時間を守るように」と注意した場面で、部下は言い訳ばかりしていた。

この場面だけでなく、全般に言い訳が多い組織のようである。

言い訳の多い組織は物事を改善していく力が弱く、多くの場合“人のせい”にする傾向がある。

うまくいかない場合には他人の責任とし、自分の責任として捉えることをしないのである。

このような文化・風土であれば顧客満足は実現できず、また、環境の変化への対応がにぶく、そのうち社会(市場)から不要な組織としてみなされることになる。

早急に風土改革を実施していかなければならないであろう。

したがって、この事例は個々のマネジメント上の問題というのではなく、組織としてのマネジメントのあり方という視点で対応策を考えることが必要であろう。

2.対応策

ここでは、“当たり前のことを当たり前リ実行できる文化・風土づくり”の基本的な方向を示しておこう。

1.トップの方針

まず、大切なことはトップ(経営者)が基本動作を徹底することの重要性を理解することが大切である。

しかし、実態は経営者がそのことを理解していないから、このような文化・風土になっていると考えられる。

したがって、管理者クラス(この事例では佐藤課長)がトップ(経営者、部長クラス等)に対して、基本の重要性や変革の必要性を説得する必要がある。

2.行動基準づくり

この事例では佐藤課長自身がリーダーとなり、組織メンバーの行動基準を策定する必要がある。

ここでの行動基準とは、組織人として最低限守るべき行動のルール(規範)である。

行動基準づくりは管理者レベルで作るのでなく、30代前後の若手を交えて策定することが効果をあげるためのコツである。

3.行動基準の教育

行動基準は策定するだけでは絵に描いた餅。

実行してはじめて効果を発揮するものである。

そのためには全社員への教育が欠かせない。

何のためにこのような行動基準を策定したのか、その意味するところはどのようなものか、を理解させることが必要である。

4.繰り返しの指導

このような基本動作は繰り返し何度も行動することにより身につくものである。

管理者が率先垂範することはもちろんのこと、きめ細かい指導が欠かせないものである。