◯今泉部長のこんなとき

今泉部長は営業部の責任者である。

今泉部長の所属するABC株式会社はA社とB社そしてC社の3社が出資した合弁会社である。

会社がスタートして約半年が過ぎようとしている。

最近、会社全体に次のような問題が顕在化してきた。

出身会社の業務の進め方を踏襲しているため、会社の中に3通りのしくみが混在している状況となってた。

とくに営業部門においてその傾向が顕著で多くのムダが存在しているようなのだ。

また、今後会社を拡大していく場合に新しく入社してくる社員は大変混乱することが予測されていた。

このような状況を解決するためには業務の統合化・標準化を図らなければならない。

そこで、営業部門のなかで業務統合委員会を設立し、改善を進めることにした。

メンバーは各課(課としては3課あり、課の構成はそれぞれの出身会社で構成、1課はA社、2課はB社、3課はC社)から2人を委員(係長クラス)として選定した。

今泉部長が推進委員長として全体をまとめることにした。

自分はあまり前面に出ることはせず、調整役に徹しようと考えていた。

業務統合委員会の検討のスタートは順調に進んだが、2ヶ月を過ぎるころからギクシャクしてきた。

推進委員のメンバーそれぞれが、出身母体である会社のしくみ(業務の進め方)を取り入れようと考えるため、委員会としての意見がまとまらなくなってしまったのである。

各メンバーが総論賛成・各論反対という姿勢なのである。

委員会を開いてもいつも意見はまとまらず、会合の結論は先延ばし、という状況が繰り返されていた。

委員会のメンバーは自分達のしくみの利点ばかりを主張するのであった。

これでは全く業務の統合化は実現できない、業務統合推進委員会は全く行き詰まってしまったのである。

まとまらない理由の1つは、どうも各課の課長が自分の課のしくみでまとめるように、という指示がそれそれの委員に出されているようなのだ。

それぞれの面子にこだわっているようにも思えた。

今泉部長は、業務統合のやり方を間違ってしまったように感じており、今後、どのようにまとめていけばよいか考え込んでしまった。

このような状況に陥った本質的な問題は何か。

また、統合化にむけての打開策はどのような方向が考えられるか。