研修事例②「T病院」5S導入研修
Case 2
医療現場における、基本的な「人の問題」に憂慮していた地方の機関病院T病院の事例です。
BMLの「医療機関5S総合コンサルティング」により業務効率が向上、患者からの評価も高くなりました。
背景
ベット数1000床を持つ地方の機関病院として高度な医療を提供していました。
T病院はこれまで医療安全や経営効率化を目指して
- 医療連携
- クリニカルパス
- 電子カルテ
- 目標管理や原価管理 など
積極的に業務改善に取り組み、そして一定の成果を挙げていました。
しかしながら、このような経営努力が成果を出し始めた一方、医療現場においては人に関する基本的な問題が多発し、改善を求められていました。
T病院における人に関する基本的な問題とは次のような内容でした。
- カルテや医療備品などの「物探し」が多い
- 急遽使用したい医療材料が見つからない
- 物が多く、物の置くところがない
- 職員同士の連絡が不十分
このような問題を解決することがT病院にとって緊急課題だったのです。
支援内容
BMLは、T病院に対して「病院5S活動」の導入を提案しました。
改善活動の基盤という位置づけられている5S活動を医療経営に応用したのです。
T病院にはまず、5Sの推進委員会を設置してもらいました。
そして研修の最初として、同県内にある5Sの取り組みに優れた事業所の視察に出かけました。
このような現場視察を研修の最初に取り入れることにより、環境整備された現場で仕事をすることが事故防止につながることを体感することができ、5S活動は病院における医療事故防止にもつながることを確認して、「病院5S活動」に取り組み始めたのです。
その後、T病院における「5S総合コンサルティング」は、次のような流れで展開しました。
期 間 | 指導タイプ | 指導項目 |
---|---|---|
5月 | 指導 | 5Sの意識高揚 |
6月 | 研修 | 5Sの基本研修(管理者) |
7月 | 研修 | 整理の進め方研修(実行リーダー) |
7月~9月 | 指導 | 整理の実施 |
9月 | 研修 | 整頓の研修 |
9月~2月 | 指導 | 整頓の実施 |
3月 | 診断・指導 | 整理・整頓の診断と改善指導 |
期 間 | 指導タイプ | 指導項目 |
---|---|---|
4月 | 研修 | 整理・整頓フォロー研修 |
5月 | 研修 | 清掃の研修 |
6月~9月 | 診断・指導 | 清掃の診断と改善指導 |
研修の成果
以下は、T病院のある看護師の方に伺ったお話です。
- 診察室、各備品収納庫、ファイルなどを機能的に効率よく業務遂行できるよう整理整頓したので業務効率が向上しました。
- 5S活動に取り組んで物品管理することで、診療材料、医療・事務・一般の消耗品などの払い出し金額を下げることができました。
- 整理整頓に対する意識統一を図ることができました。また、5Sを継続的に取り組んだ結果患者さんから「いつもきれいな外来で気持ちがいい」と言われるようになりました。
5S活動の成果は一朝一夕に手に入れることはできませんが、T病院ではすこしづつこのような「いい話」が出始めています。