【第3回】監督者シリーズ 監督者は本当の監督の役割を担っていない現実がある
監督者は本来の役割を果たしているのか、この点に疑問を感じる監督者を見かけることが多い。
具体的に果たし役割については次の章に解説するが基本的な監督者の役割は文字通り現場活動の監督業務である。
この現場の監督が確実に実行できているといえるのだろうか。
●監督者の事務作業の増加
ISOの導入などによる事務処理の増加、さまざまな改善活動に必要なまとめ作業の増加などにより、現場に居る時間よりパソコンや端末に向かっている時間が増えているのである。
これらの時間が実質的な改善活動ではなく、事務作業のみになっていることが問題なのである。
●監督者の現場作業の増加
また、さらに重要な問題は監督者が監督業務ではなく、現場作業そのものにかなりの時間を割いている点である。
工場ではリストラが進み作業者が減少している。
少なくなった作業者の持ち工数をカバーするために監督者が現場作業に従事しているのである。
さらに、この現場作業に従事することで満足している監督者が増えているように感じる。
以上のように監督者の本来果たすべき現場監督の機能を十分に果たしているとは言えないのである。
●積極的な問題解決が不十分
監督者は果たすべき役割を自ら積極的に創り出すことが必要である。
しかし、最近の監督者は姿勢が受身である人が多い。
上司の管理者の指示を忠実に守ることはできるが、自分自身で役割を創り出すことが苦手なのである。
現場での問題対応が受身になっている。
品質トラブルや設備故障、作業中の事故などが発生した場合の対応に追われているのである。
さまざまなトラブル対応に時間を費やすことが多い。
もちろん、このようなトラブル対応自体は積極的ではないが監督者の果たすべき役割のひとつであることは間違いない。
しかし、もぐら叩きのようにぶつかったトラブルや問題に対処するだけでは積極的に監督者の役割を果たしているとは言えないのである。