【第8回】監督者シリーズ キーワードは「納得」
人は納得して物事に取り組む場合と納得できないままとでは努力の度合いは2倍から3倍異なるという。
チームをまとめたり、人を動機付けるためには納得が基本になると言えよう。
納得させる行動で最も重要な視点は、納得する側としての自分の意見が反映されているか、という点である。
物事に対してなかなか納得しない人とは、自分の意見を持っていて、そのことを聴いてもらえない、引き出してもらえない、という場合に納得しないのである。
●上司の部下への期待事項の明確化
まず重要なことは納得させたい項目を明確に示すことである。
「~を~までレベルアップしてほしい」という期待や要求を相手に対して明確に示さなければ納得の行動は生まれない。
多くの監督者がこの点を曖昧にしているケースがある。
部下への要求事項が不明確な状況で納得などあり得ないのである。
●部下の意見や反論を引き出す
次に重要なことは相手の意見や反論を十分に引き出すことである。
引き出すと言っても相手の言いたいことを引き出すことが重要である。
そのためには相手は何を言いたいのか、伝えたいのかを十分に感じ取る姿勢が必要である。
●意見や考えのすり合わせ
意見を引き出すだけでは納得につながらない。
引き出した本人の意見を吸い上げ、監督者の考えや方向付けすべきこととのすり合わせが必要なのである。
このすり合わせを通じて、本人から納得を引き出すことが期待できるのである。
特に高い目標などにチャレンジさせる場合などは部下の納得性を引き出せないとほとんど成果につながらない。
無理に押し付けた目標などからは自主性は引き出されないし、部下自身の新しいアイデア等は期待できない。
このことは正社員だけでなく外部社員にも当てはまる。
むしろ外部社員のほうがさまざまな納得できない業務を無理やりやらされてやる気をなくし、早期に止めていく人も少なくないのである。