〔第14講 マネジメント塾〕プロジェクトメンバーの反発

〔第14講 マネジメント塾〕プロジェクトメンバーの反発

○上原チームリーダーのこんなとき

上原さんは人材開発グループの主任である。

今度、新たに教育体系を構築するためのプロジェクトチームのチームリーダーに選任された。

チームメンバーは各部門の課長もしくは係長クラスで構成されていた。

このプロジェクトは人材開発主導ではなく、現場主導で教育体系を構築することを基本方針としていた。

これまでの教育体系は人事や教育部門が主体で実施していたが、どうも現場のニーズとギャップのある教育内容となっていたのではないかという反省からである。

プロジェクトの第一会合が始まった。

最初にチームリーダーである上原さんが口火をきった。

「これからの教育体系について、現場の意見を尊重する形で検討したいと思います。

これからのプロジェクト活動のご協力を、よろしくお願いしたいと思います」とプロジェクトの主旨や協力依頼から話し始めた。

それに対して、プロジェクトメンバーから「今日、上司からこのミーティングに参画するようにと指示されました。

ただ、どのようなプロジェクトであるかの内容は何も聞いていないんですよ。

」とかなり不満げな態度で発言した。

それに対して上原チームリーダーは、「プロジェクトの主旨は、上司である部長を通じて皆さん方にお伝えしているはずです。

各部長には、このプロジェクトの意味を理解してもらい、プロジェクトメンバーを選定してもらっていると思います。

」とやや面食らった、という表情で説明した。

この話しにほとんどのメンバーは反発した。

自分たちはなにも具体的に知らされていないし、このメンバーに選定されたことに納得していない、ということであった。

上原チームリーダーは、プロジェクトメンバーの上司である部長を集め、現場の意見の吸い上げや主旨の徹底をしたつもりであった。

当然上司から部下へこの話しは伝わっており、メンバーの選定も納得したうえで参画していると思っていた。

第一会合は、この後先に進まず、結局何も決まらないまま終了し、もう一度あらためて集合することになった。

プロジェクトは第一会合から暗礁に乗り上げてしまった。

なぜこのような状況に陥ったのか、今後プロジェクトを軌道に乗せるためには何が大切であろうか。

上原チームリーダーは思い悩むのであった。

このプロジェクトチームは第一会合から暗礁に乗り上げたのはなぜか。

今後、このプロジェクトを軌道にのせ協力を引き出すために、上原チームリーダーは何をなすべきか。

また、このような問題を発生させないためにどのようなポイントが考えられるか。

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