【第19回】監督者シリーズ 外部社員への仕事の任せ方
外部社員に仕事を任せるためには任せる考え方を整理しておくことが必要である。
外部社員に仕事を任せる基本的な方向がガイドラインとして職場としてまとめておき徹底することが必要であろう。
●標準化していない仕事は任せない
この点は特に重要なポイントである。
外部社員に任せて仕事の仕方が変化すると品質が維持できなる。
継続的に外部社員に仕事を任せ続けると社員に技能を持ったものがいなくなり、正社員からの技能伝承ができなくなる。
そこで標準化されている作業のみを外部社員に任せるようにすることである。
●仕事を任せる範囲を明確化
外部社員に仕事を任せる場合には任せる範囲を明確化しておくことが大切である。
外部社員においても請負契約の外部社員の場合には任せる範囲が明確であるが、派遣の外部社員に継続的に仕事を任せているといつの間にか仕事の範囲が拡大していく。
こうなる仕事を進める重要な部分を外部社員に任せきりという状況となる。
このような状況を防ぐために外部社員に仕事を任せる範囲を明確にしておくことが重要である。
●5W3Hを明確に、そして確認を
5W3Hを明確に指示を出すことが重要である。
これは外部社員に限らず正社員においても大切なことである。
しかし、外部社員においてはより明確に指示を伝えることが重要である。
また、伝わったか否かの確認を確実に実行することが必要である。
●外部社員同士の仕事の役割分担を明確化
外部社員同士または正社員と仕事の役割分担が不明確だと仕事への責任が曖昧となり仕事上のトラブルなどを引き起こすことになる。
外部社員に対する仕事の役割分担は正社員以上に明確にするように心掛ける必要がある。
●短期間に習得できる仕事を任せる
外部社員の場合は短期間に習得できる仕事を任せるのが基本である。
特に派遣の外部社員の場合は派遣期間に制限があるため習得に時間のかかる仕事は適切でない。
目安として1週間制度指導すれば身に付けることができて、任せることができる仕事を任せることになろう。
請負契約の外部社員は直接社員が指揮はできないが、期間の制約は無いため特に派遣の外部社員ほど期間が問題にならないが、長期的な育成ということは難しいことは同じであろう。
●高度な判断を必要としない仕事を任せる
高度な判断を必要とする仕事を任せることは難しい。
外部社員に仕事を任せる場合の作業は、高度な判断をしなくてよい作業方法にする必要がある。
また、そのための作業設計が必要となってくる。
どうしても重要な判断が必要な場合には、責任者に速やかに報告が実施できるように教育指導が重要になってくる。
●仕事は後片付けを含めて仕事であることを自覚させて任せる
外部社員の場合は仕事を責任持って担当する姿勢を持っていると期待したいところであるが,必ずしもそうでもない人も多い。
さらに仕事の後片付けまでが自分の仕事であると考えている者はさらに少ない。
そこで、仕事を任せる段階では後片付けも含めて仕事であるということを理解させることが重要である。
●異常の報告を認識させて任せる
仕事の中で異常が発生した場合にはすぐに仕事を止めて報告させることを徹底させることが重要となる。
そのためには正常とはどのような状況か、異常とは何かについて十分に認識させて仕事を任せることが必要である。
この点は正社員も同じであるが、外部社員に対しては正社員以上に徹底させることが重要になる。
●安全作業の基本を見につけさせてから任せる
仕事の最も重要な基本は安全である。
このことを十分に認識させた上で仕事を与えることが必要である。
安全の基本とは安全のルールを確実に守ることにある。
例えば、次のような点をあげることができよう。
・決められた安全保護具の着用
・指差呼称の実施
・安全点検の実施
・KYT(危険予知訓練)の実施
・ヒヤリハットの提案