【第23回】監督者シリーズ 作業のキーポイントを抽出
作業ステップごとに作業のキーポイントがある。
キーポイントとは作業の急所や要点である。
●作業ステップの特徴
作業ステップとは作業の品質を確保し、安全に、早く作るための作業の流れ・手順を示したものである。
この作業ステップを簡潔に、分かりやすく、具体的に表現することが大切になる。
作業ステップを明確化することによって、まず、作業の全体の流れを理解することが必要である。
●作業のキーポイントの特徴
作業のキーポイントは各作業ステップごとに作業を的確に、確実に、迅速に進めるための急所といったものである。
また、この作業キーポイントは勘やコツと言われる類のもので、文章化しづらいものである。
技能の指導で最も難しいのは、仕事の中に暗黙知の部分があることだ。
この「暗黙知」とは、言葉や図表あるいは記号として表現されない部分をいう。
経験や勘の部分であり、体験を通じて身につけたノウハウなどである。
これらの暗黙知の部分は、なかなか第三者に伝えづらいものである。
そこで、技能の指導においては、まず、この暗黙知の部分を作業のキーポイントとして「形式知」に変換することが重要となる。
●作業のキーポイント抽出チェックポイント
①作業ステップを、より具体的に表現しないと理解できない場合のキーポイント
②力の入れ具合が、品質や仕事の出来映えに微妙に影響する場合のキーポイント
③位置決め・挿入・組み合わせなどの動作にカンやコツがある場合のキーポイント
④工具・測定具の使い方にポイントがある場合のキーポイント
⑤機械設備のクセや特徴に合わせたセッティングが必要な場合のキーポイント
⑥調整に試行錯誤が必要な場合のキーポイント
⑦作業ステップの中に判断を必要とする場合のキーポイント
⑧勘違いや思い込みによりポカミスを発生させる可能性がある場合のキーポイント