〔Q3 徹底5S Q&A〕5Sの仕事のムダ排除
Q【質問】5Sは仕事のムダ排除につながると言われていますが、具体的にどのようなムダが改善されるのでしょうか。
A【解説】
5Sはさまざまなムダ排除につながる。
ここでは最も代表的な5つのムダについて解説しよう。
(図表参照)
●モノを探すムダの削減
5Sの実施によりモノを探す時間が削減される。
たとえば、工具を探す、材料を探す、仕掛品を探す、作業標準を探すなどさまざまなもの探しが職場には存在する。
これらのムダは5Sを徹底することにより、ほとんどなくなると考えられる。
モノ探しの発生はモノを探している時間はムダであるが、さらに仕事のペースを乱すことが新たなムダにつながる。
仕事の段取りをしていても、モノが見当たらないためにイライラしたり、ストレスが溜まったりする。
結果として仕事のペースを乱すことになり、生産性は上がらないのである。
●運搬のムダの削減
5Sは運搬のムダ削減にもつながってくる。
5Sが悪い職場の場合は不必要な運搬が増加するものである。
たとえば、ある置き場に本来置くべきではないモノが箇所に置かれている時など仮置きが発生する。
仮置きをするともう一度、本来の場所にモノを運ぶという運搬が発生する。
このような運搬は5Sが悪いために発生するものであり、まったくムダな作業である。
5Sを徹底するとこれらの運搬のムダをかなり減少させることができる。
運搬作業は付加価値を生まない作業であり、無くしたいものである。
●不良をつくるムダの削減
これは品質管理と5Sの関係のところで解説したように5Sが徹底してないために不良をつくってしまうことは多いものである。
5Sが徹底できていない職場において品質管理を語る資格はないであろう。
●事故発生によるムダの削減
5Sは事故との関係も強いつながりがある。
事故の内容を分析すると5Sが原因である場合がかなり多い。
安全はすべての基本である。
最近では病院における5Sへの取り組みも増えてきている。
ヒューマンエラーによる医療事故と5Sはたいへん密接な関係があるのである。
●納期遅れのムダを削減
納期遅れと5Sも密接な関連がある。
特に仕事の優先順位を的確に設定するためには、情報の整理整頓がポイントとなる。
また、仕掛品や製品の整理整頓ができていないために誤った優先順位をつけてしまい納期遅れを発生させることがある。
これらの内容はすべて5Sに関する項目である。