〔Q5 徹底5S Q&A〕5S活動を盛り上げるには
Q【質問】5Sに取り組んで数年になるのですが、どうも盛り上がりに欠けます。
5S活動を盛り上げるにはどのよう方法があるのでしょうか。
A【解説】
●掛け声だけでは盛り上がらない
5S活動がなぜ盛り上がらないのだろう。
その原因はさまざまだが、最も共通的でよくあるパターンとして掛け声だけに終わっている、という点が指摘できよう。
掛け声だけの5S活動では絶対に成果はでない。
掛け声だけでは5S活動を余計なこと、面倒なことなどと感じるだけで、実質的な活動につながらないものである。
●5S活動を盛り上げるための方向
5S活動を盛り上げるためには、掛け声だけでなく、組織を動かすための仕掛けや意識づけが必要である。
つまり、全社をあげての組織的・体系的な取り組みが必要なのである。
組織的・体系的な展開とは、基本的に3つの視点が考えられる。
意識づくりの視点、しくみづくりの視点、実行管理の視点の3項目である。
(図表2-5参照)
●意識づくりの視点
意識づくりの視点とは、全社員が5Sの実行に向けてやる気を引き出していくことである。
5Sが成功するか否かは、最終的にやる気になるかどうかであろう。
この意識づくりの重要なポイントは管理者の意識である。
とくに、部長・課長のような組織で重要な意思決定をする立場の人々が、どの程度本気になって5Sに取り組むかが重要なのである。
また、全社的な5Sに取り組む雰囲気づくりが必要である。
全員が5Sに取り組もうという姿勢が求められる。
その意識づくりの手段として、ポスターを作成、5Sバッチの作成、5S標語の募集などを活用すると効果的である。
また、他工場の見学も刺激を与える意味で有効な方法である。
●しくみづくりの視点
しくみづくりとは、5S活動を円滑に進めるための“しかけ”である。
このしくみづくりにより、全社(工場全体)の5S活動の情報を共有化し、5S活動全般を活性化させることになる。
どのようなしくみや展開方法は、それぞれの会社や工場により異なるものであるが、しくみは簡潔につくることが重要ある。
どこの会社や工場において、何らか推進委員会やプロジェクトチームが存在するものである。
これらをうまく活用するのも一つの方法であろう。
●実行管理の視点
5Sの具体的な活動を管理するものである。
実行の管理とは、5S実行計画に従って実行の状況を管理者がチェックする方法である。
実行の確認を徹底して行うことが成果を出すための重要なキーポイントである。
最初は派手に、そして勢いよくスタートするのだか、途中で息切れする会社も多い。
その原因の一つは、この実行管理が中途半端であり、粘り強く実施する姿勢に欠けているのである。