〔Q7 徹底5S Q&A〕5S活動の継続的維持
Q【質問】5Sはある程度進んでもすぐに乱れてしまいます。
継続的に維持するためにはどのようなことを心掛ける必要があるのでしょうか。
A【解説】
●5Sはなぜ継続できないのか
5Sはなかなか継続が難しい。
短期的(1年~2年)に成果を出すことはある程度実現できるが、長期的に継続し定着化・維持させるのはかなりエネルギーがいる。
維持継続が難しいのはなぜだろう。
最も重要な要因はトップや推進委員会に積極的な姿勢が欠けてきている場合である。
このような状況を従業員は敏感に感じるものである。
トップや推進委員会の姿勢はやがて周囲に拡散し、組織全体として5Sに対する取り組みに積極性がなくなり、活動が沈滞化するものである。
また、5Sのレベルに満足するとその時から5Sレベルは後退する。
重要なことは現状に満足しない姿勢である。
●現状に満足しないためには
現状に満足しないためには、5Sを常に進歩・進化させようという取り組みが重要である。
現状に満足しない進化させる取り組みに必要な視点は次のような点である。
①目標を高く設定する
毎年、年度始めの経営方針に5Sの目標を設定し、常に高い目標にチャレンジする習慣づけをする。
②チェックリストを工夫しよう
チェックリストをいつまでも同じものを使っていて、いつも高得点で推移すると現状満足と同時にマンネリ化に陥る可能性が高い。
チェックリストを工夫・改良し、常にチャレンジ意識を、持たせることが必要である。
③監査のメンバーを幅広く
他職場を監査することにより、5Sをチェックする見方がレベルアップする。
5S推進委員会や管理者だけでなく、多くの人が監査に参画することが望ましい。
③物の5Sから業務の5Sへ
物の5Sから業務の5Sへレベルアップすることが現状に満足させないために有効である。
業務の5Sとは、仕事そのものに対して整理・整頓を実施することである。
●継続的なレベルアップを目指す
現状に満足することなく5Sを継続的に維持向上させるためには、改善の連続が必要である。
改善の視点を変化させながら、改善を続けることが重要なのである。
継続的な改善によって職場が変化し続けているという認識を持っていることがポイントなのである。
現状を維持しようという意識では結果として5Sは維持されないのである。
また、中途半端な5Sは継続力につながらない。
5Sを徹底することが求められるのである。
5Sを徹底するためにどのようなポイントがあるのかについて次に解説しよう。