〔Q13 徹底5S Q&A〕5Sの組織的体系的な取り組み
Q【質問】5Sを効率的に、また、組織的・体系的に展開するためには、どのような推進組織をつくる必要があるでしょうか。
A【解説】
●推進組織の重要性
5S活動を展開するうえで、具体的な活動(整理・整頓・・・・など)が最も重要なことだが、具体的な活動を組織的に展開することが全体としての成果につなげるために重要となる。
ある職場だけがレベルアップするというのでは5S活動ということにならないのだ。
組織的な展開にするためには、5S活動の推進組織づくりがポイントとなる。
しかも形骸化した形だけの組織にしないことが重要なのである。
●5S推進組織の例
推進組織は工場の規模や特徴によって多様なものであるが、ここでは、5Sの推進組織について基本的なものを紹介し、組織の各役割についても解説しておく。
≪5S推進本部≫
5S推進のための方針を決定し、全般的な方向づけをする。
また、推進委員会からあがった企画や提案を承認する。
これはトップを中心に構成されるのが基本である。
≪5S推進委員会≫
5S活動の具体的な運営の内容についてさまざまな企画案を提案する。
5S活動の中で推進面での中心的な役割を担うことになる。
課長クラスが担当する場合が多い。
≪5S推進事務局≫
5Sの教育計画の立案、PR、具体的な活動の準備、推進委員会の司会・進行など多様な役割を担うことになる。
≪5S実行リーダー≫
実行する責任者である。
職場の監督者や小集団活動のグループリーダー等が担当する場合が多い。
≪5S実行グループ≫
5Sを現場で実行するグループであり、実際に行動する最小単位である。
これまで存在している小集団グループを5S実行グループとして展開している会社もある。
●5S推進組織全体の役割
5S推進組織全体の役割は、常に5S活動を活性化するために新しい企画や考え方を提案し、実行することである。
組織や制度というものはすぐに風化したり、形骸化するものである。
推進組織が形骸化すると5S活動そのものも形骸化し、成果につながっていかない。
推進組織を形骸化させないためには、推進組織の中に、言葉は悪いが「5Sバカ」のような存在が必要である。
5Sのレベルを向上させることに信念を持ち、常に諦めず、しつこく5Sの必要性や重要性を説きつづける人が必要なのである。