〔Q24 徹底5S Q&A〕整理の基準
Q【質問】整理をすると必要なモノまで捨ててしまうことがあるので返ってムダが発生するという言い訳にどのように対応したらよいでしょう。
●必要なモノを捨てるのは整理の基準が問題
必要なモノを捨ててしまったことが、5Sを実施したからという理由はまさに言い訳である。
必要なモノを捨てたことの問題を5Sを実施したから、というのは視点がずれている。
整理の段階で、明確な整理の基準がなかったことが問題なのである。
5Sを実施して多少の必要なモノを捨ててしまうムダよりも、必要か不要かの価値基準が曖昧であることの方が問題である。
●捨てたことを後から悔やまないこと
整理を実行した後から「しまった! あれを捨ててしまった」
と悔やむことがある。
このことを気にし過ぎると整理が思い切ってできなくなる。
整理を徹底して実行した場合、ある程度「しまったな」という状況は発生することも、やもう得ないと考える必要がある。
また、そのようなことが発生するくらいで整理はある程度進んでいるのである。
乱雑になっている状況を整理すると、上記のようなことが発生する場合がある。
これは整理したため「しまったな」と気づくのであって、乱雑なままでは、捨てたものの存在すら把握できていないことが多いものなのである。
●整理の基準を明確化
整理を的確に実行するためには整理の基準が必要である。
整理の基準とは何を捨ててよいか(捨ててはいけないか)、を明確に決めたものである。
整理とは捨てる技術とも言われている。
いかにモノを上手に捨てることができるかということがポイントである。
そのためには捨てるためのルールが必要となる。
これが整理の基準である。
整理の基準を作成していると「5Sで必要なモノを捨ててしまう」という言い訳はいいづらくなるものである。
●整理の基準は運用し易いものを
整理を確実に実行するための整理の基準は運用し易いものが重要である。
あまり厳密に作成しようとすると基準が完成しないことがある。
逆に、大雑把過ぎると基準としての意味を成さなくなる。
最初はやや大まかなものを作成し、運用しながらしだいに基準として的確さを上げてくるような対応がよいだろう。